小さくて可愛い猫も、大きくてカッコいい猫も、どんな猫でも大好き。そんな中でも大きくて野性味のあるカッコいい猫が好き…そんな方も数多くいます。
飼ってみたい、そんな気持ちだけでは到底飼えないですが、飼えるかどうかで言ってしまえば飼養可能であるカッコよく美しい中型の猫、サーバルの飼育について今回はご紹介します。
目次
サーバルの特徴と生態に関して
そもそもサーバル(またはサーバルキャット)とはどういう猫なのかに関してですが、ざっくりと紹介すると以下の通りです。
- 食肉目ネコ科レプタイルルス属に分類される中型の肉食獣
- 体長:60〜100cm
- 尾長:24〜45cm
- 肩甲:54〜62cm
- 体重:8.6〜18キロ
- 寿命:10〜12年(野生下)、13〜20年(飼育下)
- ほぼ全身に黒い斑点模様がある
- 耳が大きく丸みを帯びている
- 夜行性だが日中に活動することもある
- 攻撃的で目の前を横切るものを基本的にほっておけない
- 跳躍力が高い(高さ2メートル、距離4メートルほど跳べる)
- 日本では特定動物に指定されている
サーバルの詳細に関しては当サイトでも以前サーバルに関して紹介した記事がありますので、こちらでご確認ください。
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大前提として、特定動物ゆえ必要とされる物に関して
飼育方法やその他諸々の話しをする前に、まず、そもそもの大前提として、サーバルは日本では特定動物に指定されています。
そのため飼育したいと思った際にはただ買えばいいということはなく、都道府県知事による危険動物の飼養許可を得る必要があり、また、特定動物の種類ごとに施設基準があるため、それに適合する施設を設置してから申請を行い、許可がおりてはじめて飼育可能となります。
サーバルの場合は基準を満たしている『おり型施設』での飼養をする必要があります。こちらに関しては各都道府県、市区町村により基準が多少異なりますが、共通していることといえば絶対に脱走ができない環境であるということです。
ちなみに、必要となってくるものは
- 6畳程度のおり型の施設
- 施設は脱走防止が出来ている構造および強度があること
- 定期的に施設の点検を行うこと
- 第三者の接触を防止する処置を行なっていること
- 特定動物を飼養していることを知らせる為の標識
- マイクロチップを埋め込むなどの個体識別処置を行うこと
- 室内温度を28〜30度くらいに保つこと
- キャットフードだけではなく専用の餌を準備すること
などになってきます。
その中でも一番最初の関門と言える『おり型の施設』に関しては、一例ですが6畳程のコンクリート出来た部屋に強化ガラスが設置され、扉もロックできるようになっているなどであれば基本的には大丈夫とは言えます。
ワイルド猫最高…!でも普通の猫くらいには懐くの?
幼獣の頃から飼育すると人間に慣れたり懐いたりすることはあるといえますが、本質的には気性の荒い動物と言えるため、懐いたとしてもふとしたキッカケで攻撃的になることもありますので、いかに懐こうが警戒する必要はあります。
しかし、ヒョウやライオンなど、大型のネコ科動物に比べたりすると懐きやすいですし、感覚的には普通の猫くらいには懐いてくれる、と思っても大丈夫とは言えます。
あくまでも個体差があるのと、幼獣の頃からの飼育環境によって異なってきますので、『必ず懐く』であったり、『気性がとても荒い』と決めつけるのではなく、その個体ごとに違うということは言えます。
ただ、たとえ懐いたり人に慣れたりしたとしても見慣れない人などに対しては威嚇をしたり警戒をすることがあります。そもそも、特定動物である為、第三者に触れさせる機会はまずないですが、万一触れある機会があると普段大人しくても人を襲うこともあるということも念頭にいれておいてください。
じゃあトイレは?覚えてくれる?
基本的には通常の猫と同じようにトイレを覚えますが、マーキング[01]特にオスが行うことが多いです を行う習性がありますので、トイレ以外のところでマーキングを行なってしまうことはあります。
尿の臭い自体も猫特有の臭みがありますので、マーキングなどを行なった際には無香料の消臭剤を使用するのもアリですが、部屋で放し飼いにするわけではないのですし、マーキングはテリトリーを示すための行動でもありますので、そこまで気にする必要はないかもしれません。
何を食べるの?餌とその量について
餌に関しては通常の猫のようにキャットフード…のみ、というわけにはいかず、生の肉などの肉を与える必要があります。
その際に気をつけるべきポイントとしては『加熱しない』ということです。生である、という事がとても大事と言えます。というのも、加熱をしない事により様々な栄養素を得ることができるためです。
野生下ではげっ歯類だけではなく鳥類もよく食べるため、様々な栄養をバランスよく摂取できるように、鳥の胸肉やもも肉や、レバー、ハツなどの内臓を与えたり、骨つきの肉を与えるというのも必要といえます。
また、キャットフードに関しても通常のキャットフードではなく、ヤマネコ用の缶詰など、食性を踏まえて吟味する事をオススメします。
ちなみに、通常、餌代に関しては通常の猫のおよそ五倍ほどかかるといわれています。こちらに関しては生涯かかるものなので、飼育を検討されるさいにはぜひ、それらも計算にいれておいてください。
たかそうなイメージがあるけれど、購入金額はどのくらいなのか
実際、高いです。
120万〜200万くらいと言われていますが、どこから購入するかにも変わってきますし、その希少性ゆえに値段も変動していくものです。
数年後にはより高価になっていることもありますし、逆に安くなる、という場合もありますので一概にいくらであるかとは言えませんが…ただ、基本的にはそのくらいの値段であると認識しておいてください。
また、それ以外で言えるものですと、飼育設備を整えるのに30万前後必要であったり、餌代自体も通常の猫のおよそ5倍程かかり、飼育許可を得るために2万円前後かかります。さらに、病気となった際には診てくれる病院を事前に調べておく必要もあり、治療費も高くつく場合があります。
終わりに…大きな拘りがもしないのならオススメなのが…
美しくカッコよく、そして懐いたりするこもあるという素晴らしく魅力的なネコですが、やはり飼育しようと思うと様々な問題があり、やすやすと『さぁ、飼おう』とはならないかと思います。
飼いたい、けれども難しい…んー。
と悩んでしまった際に、ワイルドなネコが好き、ということであればオススメしたいのがサバンナキャットやベンガルネコです。
飼うことを諦めて動物園で見て愛でる…というのも勿論オススメではありますが、どうしても、と思った際のもう一つの答えですね。
というのも、ベンガルネコやサバンナキャットは特定動物でもなく、より懐きやすく、価格も半額程で飼育しようと思った際により可能性が見えるというのがまず大きいです。
その中でもサバンナキャットはサーバルとイエネコの交配種なので見た目が非常に似ていて大きなこだわりがなければ大変満足できるネコであると言えます。
※写真はサバンナキャットです
それでもどうしても拘りがあり、なんとかサーバルを飼いたいと思った場合には誰よりも詳しくなるくらい情報を集めたり、専門のブリーダーさんなどから色々な話しを聞き、相談の下シッカリと明確な計画を立てて飼育するようにしてください。
References
↑01 | 特にオスが行うことが多いです |
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