パッと見、知らない人だと茶トラ猫と勘違いしてしまうこともあるが、見れば見るほど茶トラとは違い特徴的なヒョウ柄があり、なんとも可愛らしい猫…
知る人ぞ知るカッコ可愛い[01]カッコいい&可愛い ベンガル猫の飼育方法について今回は紹介します。
目次
ベンガル猫の特徴と生態に関して
物凄く個人的な感想を先にいってしまえば、多種多様な猫の中でもベンガル猫は群を抜いて管理人の好みだったりします。カッコいいし可愛いって最高ですね…
そんなベンガル猫の特徴などをまずご紹介します。
- 体長:55cm〜80cm
- 体重:5〜8キロ(オス)、3〜5キロ(メス)
- 寿命:14年ほど。飼育環境や個体によっては16年以上生きる場合あり。
- 食性:通常の猫と同じく肉食性
- 水に濡れることを基本的に嫌がらず、水遊びをすることもある
- 野生のベンガルヤマネコ[02]アジアンレオパードとも呼ばれる猫の一種 と短毛種のイエネコの交配種である[03]品種改良の末生まれたため、元々野生下にいるわけではありません
基本的には通常の猫とそうそう大差ない感じですね。筋肉質で少しガッシリとした体をしていますが、とてもしなやかでやわらかく、バネのきいた四肢を持ち、運動量は多く高いところにもポンポン飛び上がります。
ちなみに、ベンガル猫の発端は1970年代にカリフォルニア大学で猫の白血病の研究を行なっている際に、イエネコとベンガルヤマネコの交配を実験的に行い、その時に生まれた猫がその後のベンガル猫の基礎になったと言われています。[04] … Continue reading
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茶色いだけじゃない!カラー&パターンに関して
ベンガル猫は茶色だけではなく、大きく分けるとブラウン、スノー、シルバー&スモークの三種類がいて、さらに、模様はスポッテッド(ヒョウ柄の斑模様)[05]通常の斑点模様をスポット、ヒョウ柄をロゼットと表記するのが一般的です とマーブル(クラシック・タビー[06]猫の品種の一つ に似た渦巻き状の縞模様)の二種類があります。
「ブラウン・スポッテッドタビー」、「スノー・スポテッドタビー」、「シルバー&スモーク・マーブルタビー」などのように色と模様をあわせて呼ぶのが一般的です。
それぞれの色の特徴としては以下の通りです。
- ブラウンが最も一般的な毛色の品種で、小麦色〜濃いオレンジブランまでその色彩は幅広く、濃淡の幅が広いものはトリカラーと呼ばれることもあります。目の色はブルーとオッドアイ以外のほとんどの色が認められている一方で、ブリーダーの間ではより野生の猫に似た金色の目が好まれているのが特徴です。
- スノーは象牙色にこげ茶色(シール・ブラウン)の模様が入っており、名前のスノーの由来でもあるユキヒョウに似ている綺麗な色合いをしています。さらに、シール・セピア、シール・ミンク、シール・リンクスポイントの三種類があり、シール・ミンクとシールリンクスポイントに関しては目の色がブルーでも認められています。
- シルバー&スモークは近年公認されたまだ新しい毛色の品種で、アメリカン・ショートヘアのシルバー・タビー遺伝子を品種改良したことに由来しています。黄色味のないクリアーな銀灰色に黒い模様があり、シール・シルバーリンクスポイントなど、スノーとの組み合わせも認められています。
上記以外にもブルー・タビーやロングヘア、メラニスティック(ブラック・ベンガル)なども稀に生まれますが、品種のスタンダードから外れているため、繁殖やキャットショーなどからは除外されています。
ただ、近年ではロングヘア・ベンガルを個別の品種として確立しようという活動が行われているので、数年後には新たな品種として追加されるかもしれません。
野性味が強い見た目だが懐くのか…?性格はどんな感じか
外見は野生的で体も少しガッシリとしていますが、その見た目に反してとても大人しく温厚で、水に濡れることも嫌がらず水遊びもすればシャワーも容易にできて、のんびりとした性格をしている子が多く人懐っこいと言えます。
社交的でもあるので、子供や赤ちゃんのいる家庭であってもお互い変にストレスを感じることなく飼育可能と言えます。それこそ、子猫のうちから他の猫との多頭飼いをしたり、家族と過ごす時間が長いと愛情たっぷりに育ち、甘えん坊で優しい性格になりやすいと言われています。
飼育する際に気をつけるべき大事なポイント
まず大前提として、外での飼育はやめましょう。帰ってこなくなるという事も勿論ありますが、他のネコからの攻撃を防げたり、感染症予防や近隣住民への迷惑防止という意味でも、また、稀少性が高く、美しいネコですので悪意のある人が連れ去ってしまう事などもありますので常に室内のみで飼育することを推奨します[07] … Continue reading。
通常のイエネコと同様に室内で放し飼いにして問題ありませんが、前述したとおりベンガルネコは運動量が非常に多く、子猫〜若猫時代はひたすら走り回り高所にも駆け上り、高所から人にめがけて飛び降りたりする事もあります。
飼育する際にはキャットタワーの設置はしたほうが間違いなくいいですが、その他にもウォーターファウンテンなどを準備すると、水入れをひっくり返してビショビショにするという事を避けられます。また、周辺の家具や家電などの配置にも気をつけて、十分に運動できる環境を用意してあげるようにしましょう。
見落としがちな点としてはその他にも短毛種であるため寒さには弱い部類です。冬は特に、暖かい環境を用意し、探訪器具やホットカーペット、毛布などを自由に使えるようにしてあげてください。あくまでも寒さには弱い、というだけで暑ければ暑い方いいなんてことはないので、暑い部屋に閉じ込めたりということはせずに、暑くなったらその場を離れられるように、という意味で自由に使えるようにするのがポイントです。
ベンガル猫は観察力も洞察力も高く、非常に賢い猫なので、躾けたりするのはそこまで難しい事ではなく、ちゃんと覚えさえすれば家電などを避けて遊んだりもしてくれるのは助かる点です。ただ、賢い&甘えん坊だからこそ子猫〜若猫時代は特に留守番の気配を察すると外出の邪魔をする事もあるのが難点です。
成猫になれば落ち着く事がほとんどですが、まるでよくならないようでしたら相性のあう子とあわせて二頭飼育などを検討するのも一つの方法です。また、窓などの鍵をかけ忘れると開けてしまう事があるので今まで以上に戸締りに気をつけて、脱走されないようにしてください。
見守るだけじゃない、日頃のケアについて
ベンガル猫の毛はそこまでお手入れをしなくても大丈夫ですが、しかし、毎日のブラッシングは愛情を伝える大事なスキンシップです。1日一回はしてあげて存分に可愛がってあげてください。
また、ブラッシングだけではなく爪のケアもとても大事といえます。当然、猫なので、爪とぎをする習性がありますので、安いものでも構わないので爪とぎができる専用の道具をご用意ください。
ただ、爪が伸びてきたら爪切りを必ずしてあげてください。他人の爪を切るのでさえ緊張しますが、それが猫ともなると最初は本当に切って平気なのかと不安になるかとは思います。でも、爪のケアを怠るとカーペットやソファなどでも爪とぎをしてしまい爪を変にひっかけたりしてしまったり、家具が壊されてしまいますので繰り返し行って慣れていってください。
猫の爪の先っぽの部分だけを切れば大丈夫ですので、かかりつけの獣医さんに一度爪切りのお手本を目の前で実践していただき、それを真似していただくのがベストです。基本的には抱っこして切ったり、お手するような形で行います。ベンガル猫は大人しく人懐っこいので飼い主が堂々としていれば落ち着いて身を任せてくれます。
勿論、一人遊びをさせるだけではなく、一緒に遊んだりするのも大事なコミュニケーションです。
特殊な餌が必要なのかどうなのか
これに関しては正直、通常のキャットフードでも十分問題ありませんので安心してください。
ただ、多くの猫は一生を通じてほぼ同じフードか2、3種類のフードのみを与えられ続けます。人間同様、猫も食べたもので体ができていきますので、フードのチョイスで健康面や病気、寿命なども大きく影響してきます。安かろう悪かろう…といってしまうと語弊がありますが、[08]高価だからといってそれがベストとも言えない 『安いから』という理由で同じ餌を与えるよりも、今の健康状態や運動量、成長具合などで色々とあったフードを与えていくのがよりベターと言えます。
あとは飼う前までのブリーダーの下、またはペットショップでどういったフードをどのくらいの頻度でどのくらいの量食べていたのかなどを直接聞いていただき、それを参考にお迎えいただいたベンガル猫が一番美味しく食べられて、なおかつ体にいいものを与えるのがよりよいとも言えます。
ちなみに、オリジナルフードを与えるという方も中にはいらっしゃいます。それを真似したらダメ、とは言いませんがあまり知識がない中で与えてしまうと思っている以上に栄養が偏っていたり、味が美味しくなかったり、食べてはいけないもの[09]ネギ類、生のイカ、チョコレート、乳製品、塩分の強いもの…etc が混ざっている場合があります。
この辺に関してはベンガル猫、というよりは猫の基本的な知識とその応用になってきますので、猫の飼育経験がなかったりする場合は無理にオリジナルフードなどは与えないほうが無難です。
トイレはどんなとこにするのか、そしてやはり臭いはキツイのか
まず大前提として、そもそも猫は臭くないです。臭いのはそう、排泄物の臭いなんですね。
ベンガル猫も通常の猫と同様に、やはり排泄物はツンとした臭いがします。また、トイレ自体も通常の猫と同様のもので特に問題はありません。猫自体、綺麗好きなので、トイレ自体は定期的に清掃し清潔な状態を保つことで無用なストレスを与えず、また病気などからも身を守れるようになります。
臭いがどうしても気になるとしても前述したとおりトイレはベランダなどにはさせず[10]注釈その7に記載されています、無香タイプで尚且つ猫の体に害がない消臭スプレーをご利用ください。また、トイレの場所とは異なるところでしてしまった場合には少し強めに消臭処理を行うようにしてください。
というのも、猫は匂いによって様々な情報を得るため、一度床などでしてしまった場所にニオイが残っていると、そこを『トイレとして使える場所』として認識し、繰り返ししてしまう場合があります。そのため、できる限り消臭処理を行い、臭い・痕跡を軽減し本来のトイレ以外で粗相をしないようになります。
なお、除菌スプレーを使用したい場合は、アルカリイオン水のクリーナーを使ってください。原料が水であるため、万が一猫にかかってしまった場合でも無害です。管理人宅でも使用していますが、汚れも落ちるし除菌、消臭が一度にでき、尚且つ生体に無害なので至れり尽くせりなアイテムです。
かかりやすい、または気をつけたい病気に関して
近年になって、ヤマネコとイエネコの交配種であるベンガルには染色体に関係する疾患が報告されるようになりました。
少し難しい話しになりますが、常染色体劣性遺伝では、光受容器の疾患で失明する可能性や、ピルビン酸キナーゼ欠損症による溶血性貧血などが報告されていますが、まだ作出から数十年程度の猫種なので、疾患の傾向はこれから他にも発現する事も考えられます。
ただ、上記のものよりもむしろ気をつけるべき事は、前述したとおり非常に多くの運動量が必要[11]野生種であるヤマネコの影響といわれています であるため、運動不足となった際にはストレスにより心身に悪影響が出る場合があります。その症状として、皮膚疾患、脱毛、膀胱炎、威嚇をするなど攻撃的になるなど多肢に渡ります。
キャットタワーだけではなく、十分に運動のできる環境を用意し、普段からコミュニケーションをよくとり、何かしらの異変に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
さぁ、お迎えしよう。はたしてその購入金額は
一概にいくら、とは言えませんが基本的にはおおよそ14〜25万円くらいが相場と言われています。ペットショップでの流通が少ないため、基本的にはブリーダーさんから直接購入するのが一般的ではありますが、ブリーダーさんと飼い主さんを繋げてくれるサイトなどもあります。
より稀少であったり、美しい仕上がりをしていたりと、様々な評価によって値段は変動していくものですので、中には30万円、40万円を超えるものもいたりしますが、高い=ベストではないということは念頭にいれておきましょう。
例えば、ブラウン系の子が好きという人にとっては21万円するシルバースポテッドタビーよりも18万円のブラウンスポッテッドタビーの方がいいということもあれば、また、逆も然りといえます。[12]値段はあくまでも一例です
なので、結局のところペットを飼う時には確かに値段もある程度は判断基準になるかとは思いますが、なによりその子が好きかどうか、十年以上大事に大事に愛せるかどうか…のほうが大事なのではないかなと、個人的には思います。
勿論、飼育目的は人それぞれ異なることもありますので、一概にそれが正解とはいいませんが、あくまでも一例として、一つの判断として、同じ考えだった場合にはぜひ一番好きになれる子をお迎えして可愛がってあげてください。
終わりに
いかがでしょうか。一般的に認知されている猫と比べると違う点もいくつかありますが、特殊な見た目をしていても基本的にベンガル猫は猫です。知識のないまま飼育しようとするのはナンセンスですが、可愛いな、飼いたいな、と思った時にそれほど恐れずに、当サイトだけではなく、直接購入するブリーダーさんやペットショップさんにも不安なことを聞いてみて、お気に入りのこがいたらぜひお迎えして全力で可愛がってあげてください。
また、ある意味当たり前のことではあるのですが、飼育する前には必ず通える距離で病院があることを確認し、健康診断や予防接種などを受けられるようにしてください。飼ってから何かあって、病院を探したけれど片道数時間もしてしまう…なんて事のないように。事前に距離や施設の雰囲気などを知っておくのはいざという時に行動が早くなり、大事に至らないですむ事もありますのでとても大切な事です。
References
↑01 | カッコいい&可愛い |
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↑02 | アジアンレオパードとも呼ばれる猫の一種 |
↑03 | 品種改良の末生まれたため、元々野生下にいるわけではありません |
↑04 | ヤマネコのほかに、インド、アメリカの短毛の土着ネコ、アビシニアン、アメリカン・ショートヘア、エジプシャン・マウ、シャムネコ等も交配に使われています |
↑05 | 通常の斑点模様をスポット、ヒョウ柄をロゼットと表記するのが一般的です |
↑06 | 猫の品種の一つ |
↑07 | ベンガル猫は屋内で育つと室内のみをテリトリーと思い、外に出ようとはしません。しかし、ベランダなど屋外に出してしまうと外もテリトリーと思い、見回りにいきたくなってしまいますので、極力出さないようにしましょう |
↑08 | 高価だからといってそれがベストとも言えない |
↑09 | ネギ類、生のイカ、チョコレート、乳製品、塩分の強いもの…etc |
↑10 | 注釈その7に記載されています |
↑11 | 野生種であるヤマネコの影響といわれています |
↑12 | 値段はあくまでも一例です |