【飼育方法】サバンナキャット(Savannah Cat)【哺乳類】

サーバルという猫をご存知でしょうか。

一部では根強いファンがいる、とてもカッコよく、可愛くて美しい、そんなワイルド猫です。今まで知っていた方も某アニメ[01]けものフレンズ』という様々な生き物を擬人化したゲームがアニメ化し、ブームとなり、その主人公枠のキャラとしてサーバルがいました がキッカケで好きになった人も、動物園に訪れてたまたま見かけて好きになった人もいるかと思います。

 サーバルが好きすぎる!ぜひ飼いたい!

と思ったけれど、その飼育難度を知り、さすがに現実的ではないな…と思った方も数多くいらっしゃるかと思います…実際、一般人が よし、飼おう と思ってサッとどうにかなるような猫ではないですからね…

ただそんなみなさんに朗報です。限りなくサーバルで、でも飼育難度がまるで違う、そんなサバンナキャットの飼い方についてご紹介します。

 

そもそもサバンナキャットとはどんな生物なのか

サバンナキャット[02]英明:Savannah Cat とは1986年4月7日にサーバルとイエネコの一種であるベンガルの交配により生み出された猫で、その当時は『サヴァナ』と名付けられていました。

多くの人の関心を得たサヴァナはパトリック・ケリーとジョイス・スルーフという二人のブリーダーにより研究が続けられ、1996年に現在の『サバンナキャット』の原型が形成されたと言われています。

 

その後、以前紹介したワイルド猫との交配種であるベンガル猫とは違い2012年にTICA[03]国際猫協会、International Cat Associationの略 によって正式な猫種として認可され、また、野生動物と認定されたことにより、アメリカのジョージア州、ニューヨーク州、ハワイ州、マサチューセッツ州の法律では飼育禁止となっています。

では日本ではどうなのか?というとサーバルとは違い特定動物でもなく、飼育する際には特別な許可[04]後述するF1〜F3の血統では飼育許可が必要となる場合があります も必要ない、一般的な猫と変わらない条件になっています。

 

身体的特徴としては以下の通りで

  • 体長:50〜80cm
  • 体高:40〜45cm
  • 体重:6.5〜13kg(オス)、5.8kg〜9.5kg(メス)
  • 寿命:17〜20年
  • 被毛の色:ブラウン、シルバー、ブラック、ブラックスモークなど

サーバル(体長およそ60〜100cm)に比べると少し小さめではありますが、それでもやはり通常の猫に比べれば体は大きい方で、『世界一背の高い猫』とも呼ばれたりしています。

また、通常のイエネコとは違い水を恐れないというのも一つの特徴といえるでしょう。

 

スポンサードリンク

何代目かが重要になってくる、飼育許可について

サーバルと違い、特定動物ではないサバンナキャットは飼育する際には特別許可が必要ということはありません。しかし、よりサーバルの血が濃いと都道府県知事の飼育許可が必要となる場合があります。

サーバルとの交配世代により呼び名がかわり、第一世代のことを『F1』、そのF1と別のサバンナ、もしくはイエネコと交配した際に生まれたネコを『F2』と呼びます。

そのまま、F2が別のサバンナやイエネコと交配し生まれれば『F3』、その後もF4、F5と続き、現在ではF7(7世代目)くらいまでありますが、F1〜F3までは野性味が強く、サーバルの遺伝子専有率が50%を超えるネコが出現することもあるので、特定動物として申請をする必要がある場合もあります。

稀にF4でも飼育許可が必要となる場合もあるため、なんのしがらみもなく飼育したい場合はF5以下などを飼育するのも一つの手段です。

ただ、その場合はどうしてもサーバルの血が薄くなってしまうため、よりサーバルに見た目が近く、野性味が強いネコを飼育したい…という場合ですとF5までいくと少し不満もあるかもしれません。

その辺りは飼育者の求めている物事で変わってくると思いますので、自分の求めているものと飼育環境や必要なものなどと擦り合わせて、最高に可愛いネコを飼育していただければ幸いです。

※写真はF5のサバンナキャット。ワイルドっぽさが少し薄れてきています

 

イエネコのように懐くのか、それともやはりワイルド猫のように獰猛なのか

個体差はあるものの、基本的には前述したサーバルの血の濃さによって性格の違いはでてくるといえます。F1F2のように血が濃ければ濃いほど、野生(サーバル)の血を強く引き継いでいる場合も多く、そういった面もありF1F3F4までのサバンナキャットは飼育する際に許可が必要となる場合があります。

しかし、血縁の遠い(F5F7)個体であっても個体差があり、性格は様々ですので、仔猫から飼育した場合でも懐かなかったり、ワイルドネコのような獰猛さを醸し出すサバンナキャットもいます。

 

 じゃあやっぱり懐かないのか?

というとそういうわけではなく、基本的には人懐っこく、寂しがりやで、大きさもさることながら、猫というよりはどちらかというと犬のような性格と愛嬌のある猫[05]リードやハーネスをつけて散歩にいったり、お風呂に入れてあげたりなどもできたりもします といえます。

知能も高く、懐いてくれるのでそういった面では安心ですが、体も大きく運動能力も高いため、イエネコや犬くらいの感覚でいると大怪我に繋がってしまう場合もあるため注意が必要です。

 

 

通常のイエネコでも言えることですが、知能が高いからこそイタズラを覚えたり、ドアの開け方や餌の置き場所を覚えて勝手に取り出そうとすることがあります[06]中には蛇口を開けたりする子もいるとのことなので本当に侮れません…

力が強いからこそ、予想以上のことができてしまうので、そういった事柄を回避するための日々の躾けや、注意しよく観察をすることと、手の届いてしまいそうなものをしまったり、怪我をしないように家具家電の配置などを考える必要はあります。

檻で飼うわけでもなければ、四六時中そばにいれるとは限らないので、怪我や脱走も含めて『万が一』のことがないように事前に注意しておくのがオススメです。

 

飼育環境と必要となる設備について

前述したように、体が大きくチカラもあり、運動量が多いだけではなく、声も大きいので、いわゆる生活音が大きくても問題がないような立地、環境が最低限必要といえます。

勿論、飼育しようと思えば壁の薄いマンションなどでもやろうと思えばできてしまいますが、周りの人への迷惑を考慮するのも飼育者がもつべき最低限のマナーですので、飼育可能と言えない場合は素直に諦めるか引っ越して環境を整えるのも重要なポイントです。

 

音だけではなく広さも重要で、通常のイエネコでも家中元気に走り回ったりアチコチ登ったりもしますが、サバンナキャットとなればその規模はさらに大きくなります。

走り回れる広い部屋と、登っても壊れないシッカリと強度のあるキャットタワーなども大事なことですし、遊ぶオモチャも一般的なイエネコが使用するものより強度のあるものが必要になってきます。

また、扉や棚なども簡単に開けてしまいますので、脱走防止のためにも戸締りをシッカリして、窓などは必ず鍵をかけるようにしておくなど工夫が必要となります。

ちなみに、F1F3などの飼育許可が必要なサバンナキャットに関してはシッカリとした檻のような設備であったり、より厳しく脱走しないように気をつける必要がありますし、気性が荒い事もあるため、ペットとして飼育するというよりは鑑賞するという目的が強くなるかもしれません。

 

必要になってくる日頃のケアについて

一緒に遊んであげたり、面倒を見るのはもちろんですが、それ以外にもブラッシングコーミングなど、基本的には通常のイエネコと同じようなケアが必要となります。また、週に一度など定期的に爪を切ってあげることにより、家具や人間を傷つける心配がなくなるのでオススメです。

爪の切り方に関しては他の猫とほとんど変わらない方法になりますが、一度かかりつけの獣医さんに爪切りを実践していただき、やりかたを教わるほうが文面や写真で見るより確実で、安全なのでこちらではあえて方法などについては明記しないでおきます。

 

ちなみにブラッシングとコーミング、似ているようで目的は違っていて

  • ブラッシングはブラシを使い、皮膚を刺激して血行をよくする事により抜け毛を防ぐ目的がある
  • コーミングはクシを使い、毛を梳かして毛玉などができないようにするのと綺麗にする目的がある

という違いがあります。

どちらも健康を維持するのにも、綺麗でいる事も含めて必要と言える日頃のケアですので、スキンシップもかねて毎日行なってあげるようにしましょう。

 

また、少し前述した内容になりますが、サバンナキャットは一般的なイエネコと違い、水が苦手であったり恐るということがなく、水遊びも好むところから簡単にシャワーやお風呂に入れてあげられます。

毎日行う必要はありませんが、定期的に水浴びをさせてあげて、綺麗な状態でストレスなく生活させてあげましょう。

 

通常の猫とは異なってくる、必要となってくる餌について

通常のイエネコと同様なキャットフードをあげて入れば問題ない…とはさすがに言えず、ワイルド猫であるサーバルの血を引いているからこそ、良質なタンパク質をシッカリと摂らせたり、栄養バランスにも気を使う必要があります。

高タンパク質である事以外にも気をつけなければならないのは高カロリーであるという事です。人間の感覚でいうとカロリーが多い=よくないと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、現代人の運動量の低さと摂取量の多さが問題であるからこそ、食事量を減らすとかカロリーを減らすということをメディアで流されているだけで、本来生物が活動する上ではかかせないものです。

運動量も多いことからカロリーが足りていないとその運動量についていけず、身体がボロボロになってしまいます。かといって偏った食事を与えていけば体調も崩すので、何においても『適度にバランスよく』が大事と言えます。

 

私がオススメするのは『オリジンキャットフード』で、こちらについて詳しく説明してしまうと物凄く長くなってしまいますので、詳細については下記から確認できます。

他のキャットフードと比べれば価格が高くはなりますが、そのぶん含まれているタンパク質や肉が豊富で、カルシウム、脂肪、リン、カリウムなど必要となる栄養バランスがとても優れています。

正直、他の猫の餌としてもオススメできる商品なので、猫飼いの人にはぜひ一度目を通してみてもらいたいなと思ってます。

 

ちょっと気になるトイレについて

毎日するものですし、臭いもあるため、ちょっとではわりと大事なところですよねトイレって。サバンナキャットがトイレを覚えるのかどうかについては、基本的には通常のイエネコと同様に覚えると言えます。

身体が大きいので、それにあわせて大きめで、尚且つ屋根のない周囲を見渡せるようなトイレを設置してあげれば基本的にはそこでするようになります。

屋根があったほうが身を隠せられるからいいんじゃないのか?と感じるかもしれませんが、見られたくないだろうからと屋根ありのものにするよりは、サバンナキャット自身が周囲の状況を常に把握できるほうがむしろストレス減となるので、シンプルな屋根なしのものをぜひご利用ください。

 

ただ、トイレについてはやはり個体差…といいますか、その猫の好みなども左右されてきますので、猫砂も含めて、愛猫が気に入って安堵できるものを色々と試してみるほうが長い目で見てノンストレスとなるかと思います。

 

かかりやすい病気などについて

ワイルド猫の強靭な血も入っていることから、基本的には体は丈夫で病気にも強いと言えます。ただし、同科異種交配により遺伝子疾患[07]臓器が小さくなっていて身体への負担が大きくなる等 などを患うケースも稀にあったりもします。

とはいっても基本的には感染症も含めて親からの遺伝子疾患を患うということはほとんど見受けられないため、そういった面で神経質になる必要はないと言えます。

ただ、当然絶対に病気にかからないということはなく、心筋症下部尿路疾患など一般的なイエネコが患う病気にかかる場合もあります。その中でもネコ科に多いといわれる泌尿器科系の病気にかからないように、泌尿器科に負担をかけないようにしたり[08]低脂肪のキャットフードを与えたりなど、日頃摂取するものに気を使ったりすること、日々のケアと定期的な健康診断を行うようにしてください。

 

普段から観察し、気にかけることにより、ちょっとした変化などを感じて不安に感じた際には迷わずかかりつけの獣医さんに診てもらい、早め早めの処置をする事が健康で長生きができる一つのコツと言えます。

 

サーバルより飼育が現実的なサバンナキャット。果たしてその購入金額は

様々な事を話しましたが

やはりサバンナキャットはいいな!

 ぜひ飼育したい!!

 大きな猫とまったり過ごしたい…!

など、色々とプラスな面で惹かれる方も多いのではないでしょうか。私自身、正直なんとも魅惑的で素晴らしい猫だなと思っています。

とはいっても飼育したいと思って目の前にポンと現れるわけではなく、購入もしなくてはならないし、そもそも購入できる場所や人を探さなくてはならないので、飼いたいから飼えると言えるほど安易な猫ではありません

 

まずその購入金額ですが、どこで購入するかにもある程度左右されますが、100〜200万円ほどする場合があります。とはいってもそれは前述したサーバルの血がより濃くはいっているF1個体の場合で、F2、F3と数字が低くなればなるほど価格自体も下がっていく傾向があります。

よりサーバルの血が濃く、ワイルド猫に近くて体の大きなサバンナキャットのほうが価格も高ければ飼育難易度も高く、必要となる設備もよりよいものが必要で、飼育許可申請も必要になったりとするのでそこまでいくならむしろサーバルを飼育したほうがよいのでは…?と疑問を感じてしまう事もありますが、F1のサバンナキャット自体にも多くの魅力はあります。

 

価格だけではなく終生飼育を行う上で色々と必要になったり気をつけなければならない事が多々あるので、私のサイトでは繰り返しいう事になりますが

価格が高い=ベストではない

という事です。

自分自身がいいな、と思ったらそれがベストですし、自分の環境であれば飼育可能だなと思えればそれもベストと言えます。誰かが飼育しているから自分も…というのとはまた違いますので気をつけましょう。

 

少し脱線してしまいましたが、サバンナキャットはサーバルの血が薄くなればなるほど価格が下がっていきますが、それでも純血種のイエネコとくらべれば値段は高く、安くなっていったとしても数十万円くらいはしてしまいます。

もちろん、直接ブリーダーから購入したり、ペットショップ自体になにかツテがあったりなどすればその分、値段は変動するかと思いますが、あくまでも一般的な基準としてはそのくらいです。

 

購入後もサバンナキャット用の家やトイレ、餌やオモチャなど様々なものも必要となりますので、やはり飼育しようと思った際には最低でも100〜200万円はあったほうがいいといえますし、F1などを購入する際にはその倍以上はみといたほうが何かあった時にもすぐ対応できるようになります。

 

終わりに

サバンナキャットは見た目も可愛らしく、思いの外懐いてくれるし、とても魅力的なネコだと私は思っていますが、その希少性もさる事ながら性質上、誰でも気軽に飼える動物とまでは言えないでしょう。

しかしながら、飼育可能ですし、長く共に過ごせるパートナーともなりえますので、本気で飼育したい!と思うかたにはぜひ後押しをさせていただきたいと思うほど、本当に素晴らしいネコです。

 

もしくは、見た目が少し似ていてワイルドネコの要素もあり、より飼育難易度の低いネコとしてベンガルネコがいますので、興味がある方はそちらもぜひ一度見てみてください。

References

References
01 けものフレンズ』という様々な生き物を擬人化したゲームがアニメ化し、ブームとなり、その主人公枠のキャラとしてサーバルがいました
02 英明:Savannah Cat
03 国際猫協会、International Cat Associationの略
04 後述するF1〜F3の血統では飼育許可が必要となる場合があります
05 リードやハーネスをつけて散歩にいったり、お風呂に入れてあげたりなどもできたりもします
06 中には蛇口を開けたりする子もいるとのことなので本当に侮れません…
07 臓器が小さくなっていて身体への負担が大きくなる等
08 低脂肪のキャットフードを与えたりなど、日頃摂取するものに気を使ったりすること

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です