【飼育方法】トランスルーセントグラスキャットフィッシュ( Glass Catfish/ Ghost Catfish [Kryptopterus bichirrhis])【魚類・アクア】

キャットフィッシュ」と聞いてその姿がすぐに思い浮かぶ人もいるかと思いますが、知らない人からしてみると「猫のような魚なのかな?」と思われるかと思います。

実はこの「キャットフィッシュ」とは英語で「ナマズ」のことを言います。猫のような顔をしているわけでも、猫が好んで食べるというわけでもなく、その特徴的な「長い口髭」が猫のようであることからそう呼ばれるようになりました。

今回紹介するのはそんなキャットフィッシュ(ナマズ)の中でも、日本のイメージするナマズとはかなりかけ離れたトランスルーセントグラスキャットフィッシュについての生態と飼育方法です。

トランスルーセントグラスキャットフィッシュとはどのような生き物なのか

トランスルーセントグラスキャットフィッシュはナマズ目の淡水魚で、一番の特徴はその名[01]トランスルーセント(translucent)とは光を通す半透明な状態のことを言います の通り、頭部以外の全体が透けていて、骨まで見えるということです。

名前が長いということから、熱帯魚などの観賞魚を取り扱っているお店や飼育者の間では一般的には「グラスキャット」または「グラスキャットフィッシュ」、「トランスルーセント」などで通じます。スケスケの魚などでも伝わりはしますが、グラスキャットフィッシュ以外にも半透明の魚はいるため、本種をお求めの場合はなるべく名前で呼んだ方がいいでしょう。

体が透けている以外の見た目の情報についてですが、まず特徴と言えるのがナマズならではの髭でしょう。下顎の先端から二本長い髭が生えており、遊泳時にはこちらを前に伸ばした状態にしています。背びれは小さな糸のような非常にわかりづらいもので、尾ひれは二つに割れています。

また、一般的なナマズと異なり生息域は下層ではなく中層で、ソイルなど水底に潜る習性はありません。基本的には群れをなして泳いでおり、水草などがあればそちらに群れて隠れたりします。比較的おとなしい性格であるため基本的にどんな熱帯魚とも混泳はできるものの、別種が多い場合だとストレスを感じてしまうということと、グラスキャットフィッシュを捕食できるような生体を入れてしまうと当然襲われてしまうので、混泳させる場合にはそういった品種は避けるのが無難です。

なお、後ほど病気についての項目でも触れますが、水質の悪化などにより体調を崩すと半透明な体が白く濁るので、危険信号が一目ですぐにわかり、餌を食べたかどうかなども透けている体の色合いなどからもわかるというのも特徴といえるでしょう。

こちらが一目でわかるトランスルーセントグラスキャットフィッシュのデータです。

全長最大15cmほど(小型種は10cmほど)
分類ナマズ目ナマズ科クリプトプテルス属
学名Kryptopterus bicirrhis (Valenciennes,1840)
英名Glass Catfish, Ghost Catfish
通称グラスキャット、グラスキャットフィッシュ、トランスルーセント
pH弱酸性〜酸性(6〜7.5)
硬度軟水(6~10°d )
水温21〜28℃
原産国タイ、スマトラ、ボルネオ、マレー半島

飼育方法や生態についてのより詳細な情報についてはこのあと記載いたしますので、気になる方はぜひ一読ください。

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飼育に必要なものと注意点

こちらでは飼育することを前提に、必要となる設備や気をつけるポイントを記載します。寿命もそれほど長くなく、小さな生物ですが、犬猫などと変わらず、飼育する際にはどのようなものが必要となるのかをよく見た上で飼育可能か吟味していただければ幸いです。

とても重要な水あわせについて

こちらはグラスキャットフィッシュだけではなく、あらゆる熱帯魚などのアクア関連の生体を水槽に導入する際に気をつけていただきたいポイントとなります。その他の生体でも記載する内容となりますので、詳細については別記事にて記載しますので、記事が出来上がり次第こちらにリンクを貼らせていただきます。

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必要な水槽サイズ

グラすっキャットフィッシュは小型の熱帯魚であり、生後半年ほどで4cm前後、一年ほどで6〜10cm、その後緩やかに成長し2年ほどでフルサイズ(約15cm)に成長します。なお、グラスキャットフィッシュは小型のものと大型がいると言われており、小型種の場合は2年ほど経過しても10cm未満であることがほとんどです。

基本的には市場に出回っているのは小型種となるため、必要となる水槽のサイズも30cmキューブからでも飼育可能といえます。

ただし、後述しますが基本的にグラスキャットフィッシュは群泳する品種であるため、30cmキューブ水槽というのはあくまでも幼魚であるうちや、数が非常に少ない場合に限りますので、飼育する際には60cm以上の水槽を目安にしたほうがいいです。

60cm水槽の場合ですと、その他の品種と混泳していないのであれば10匹前後を飼育可能です。それ以上過密になると水質悪化がしやすくなり、病気などにも繋がりますので、より多く泳がせたい場合は90や120cm水槽で多種と混泳させたりレイアウトを凝ってみると、ライトが反射してたくさんのグラスキャットフィッシュがキラキラと美しい姿をみることができます。

また、多くの熱帯魚に言えることですが、飛び出し防止のために基本的には蓋を設置することをオススメいたします。あまり飛び跳ねる品種ではないものの、万一の事故を防げるのと、水の蒸発速度を低下させることができるため、水かさがそれほど変わらないというメリットもあります。


温度管理に欠かせないヒーター

多くの熱帯魚に言えることですが、グラスキャットフィッシュもまた低温に弱いため、お住いの地域により多少は異なるものの冬場はもちろん秋や春ごろなどにもヒーターが必要となります。

適温はおよそ25〜27℃ほどですが、急激に代わりさえしなければ21℃くらいの低温や28℃ほどの高温でも大丈夫です。ただ、低すぎると病気になりやすいということと、暑すぎると体調を崩してしまうため基本的には25℃前後を保てていれば大丈夫です。

ヒーターを選ぶ際のポイントとしては「水槽のサイズにあったもの」を選ぶようにしてください。60cm水槽で飼育している際に、安いからと30cm用のヒーターなどを使用すると熱量が足りず温度が上がらなかったりまばらになったり、結果的にコストが余計に発生してしまいます。


適した水質と維持について

多くの熱帯魚と同様に、グラスキャットフィッシュが好む水質はpH6〜7.5ほどの弱酸性となります。基本的に体も丈夫であるため、多少この範囲をずれることがあってもすぐに病気を発症するということも基本的にはないため、比較的飼育しやすい品種と言えます。

こちらの水質管理や水換えなどについても前述した「水あわせについて」と同様に、様々な熱帯魚で必要となる知識であるため別記事にまとめておきますのでそちらからご確認ください。

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なお、私自身がよく使用しているバクテリアや調整剤などはこちらになります。最初は匂いなどが少し気になるかと思いますが、傷んでいるわけではありませんのでご安心ください。導入直後はしばらく匂いが残るものの、しばらくするとフィルターなどに取り込まれていきほぼ無臭となっていきます。


こちらはカルキ抜きをし、バクテリアを活性化させ、生体の腸内細菌を活性化させ、なおかつ飼育水の臭いも軽減し水換えの頻度を減らしてくれる優れものです。一般的なカルキ抜きを使用するのであればこちらを使用することを個人的には強くオススメしたいと思っています。


水を清潔に保つためのフィルター

バクテリアや水草など、水質をよりよくするための物を入れたとしても水は止まっているとドンドンと劣化していき、汚れていきます。そのため、大小問わず水槽飼育する際には「水の流れ」を作る必要があります。

この水の流れを作る際にただ水を流すのではなく、その過程で濾過を行い、清潔な水を流していくようにするためにフィルターを設置するのが一般的です。

水槽のサイズによって多少異なりますが、小型のものであれば投げ込み式のフィルターや外掛け式フィルター、大型の水槽であれば外部フィルターやオーバーフローによる濾過などがありますが、60cmや90cmくらいのサイズであれば一番使いやすく、手入れも楽なものとして「上部フィルター」というものがあります。

上部フィルターの内部には基本的にスポンジフィルターや活性炭などのみをいれるような形になっているものがほとんどですが、入れる枠が大きい・深いものであればリング状のろ材などを導入するとバクテリアが定着しやすく、水質管理に役立つので、グラスキャットフィッシュのように匹数が多い水槽などで水質が悪化しやすい場合にはオススメです。



シェルターやレイアウトについて

グラスキャットフィッシュはいわゆる土管のようなシェルター型の隠れ家などは基本的には必要としていませんが、臆病な性格をしているということと、そもそもが身を隠す習性があるからこその透明な体をしているため、可能であれば背の高い水草や流木などをいれるとよりノンストレスで生活できるようになります。

他の品種と混泳させる場合には潜る習性のある生体をいれてしまうと、根付いた水草などが抜けてしまう場合もありますのでご注意ください。

植えたり流木を別で購入するのが面倒な場合は流木と水草がセットになっているものもございますので、飼育する環境にあわせてお好みのレイアウトを行うと見ていて楽しい水草になります。



飼育数と混泳可能種について

前述しましたが、グラスキャットフィッシュは基本的に群泳する品種となっております。体を透明にすることにより身を隠しつつも、万一天敵に見つかった際により生存率を高めるための習性です。

そのため、飼育する際には基本的に一匹や二匹ではなく5匹や10匹以上で飼育する場合がほとんどですが、グラスキャットフィッシュ以外の生体も混泳させて様々な色合いが見れる楽しい水草にするというのが一般的です。

よく混泳させる品種としてはネオンテトラランプアイグラミィ(グーラミィ)などの小型種[02]小型種の中でも2cm以下などの、口に入るサイズのものとなってしまうとグラスキャットにとっては餌となってしまうため混泳はできません が多いですが、それ以外でも低層を泳ぎ掃除係もしてくれるコリドラスや、エンゼルフィッシュディスカスのような口が小さくグラスキャットフィッシュを捕食する恐れのないもので色合いの綺麗な品種が選ばれることが多いです。

ただ、数のバランスが悪いとナワバリ争いなどが起きる場合がありますので、混泳させる場合には必ず60cmや90cm以上の水槽で行うようにしてください。

なお、ミナミヌマエビヤマトヌマエビなどのエビ類も混泳すること自体は可能ではありますが、エビ類が繁殖した際の稚エビはグラスキャットフィッシュにとっての捕食対象となってしまうため、混泳させている水槽でのエビ類の繁殖は行えないのでその点は注意しましょう。

それ以外で混泳する生体に関して注意すべきこととしては、サイズ感が似ていても攻撃性が高く、縄張り意識の強い生体(ベタなど)はグラスキャットフィッシュを襲ってしまうので混泳には不向きです。それ以外でも動きが機敏で餌をよく食べる品種(ゼブラダニオなど)はグラスキャットフィッシュの餌を先に全て食べてしまうなどということもあるため混泳には不向きと言えます。

餌に関して

その見た目からはあまり想像ができませんが、そうはいってもナマズであることに変わりがないため、意外にも大食漢で人工飼料でもなんでも食べてくれるグラスキャットフィッシュ。空腹時であれば餌をいれるとすぐに飛びつきたくさん食べてくれるので、餌やりは見ていて楽しいものだったりもします。

問題は、食いつき自体はいいのですが食べるのが上手とは言えないというところでしょうか。沈むタイプの餌などを入れると、その沈んでいく速度になかなか合わせられず食べれないということがあります。浮いているものでもうまいこと突けなかったりと、慣れないうちは見ていて不安になることもしばしば…

そんな時便利なのが「フィーダーカップ」と「冷凍赤虫」のセットです。フィーダーカップを水槽内に貼り付けて、その中に冷凍赤虫をいれるだけでそこを突けば赤虫が自分のペースで食べられるため、食べるのが下手な品種でもたくさん食べることができます。



なお、野生下では微生物などを好んで食べるため、そういったものを定期的に水槽内にいれておくというのもオススメです。

飼育環境自体や食べることに慣れてきたら栄養バランスを考慮して人工飼料を与えるのがベストと言えます。その際にはフレークタイプの浮くものや、ゆっくりと沈む沈下性の餌など、どんなタイプのものでも大丈夫です。ただ、フレークタイプのものである場合はサイズがまばらであり、大きいものもあるので、与える前に指などで軽くすりつぶして食べやすいサイズにしましょう。

餌を与える際には基本的にそのまま食べきれる量を1日に2度ほど与えると食べ残し[03]食べ残しがあると水質が非常に悪化するため回収する必要があります。その手間を省く意味も込めて、与える餌の量は調整するのがオススメです もなく、次回の餌やり時に適度に空腹となり食いつきがよくなるのでオススメです。



寿命と繁殖について

グラスキャットフィッシュの平均的な寿命に関してはおよそ3年、長くても五年ほどと言われています。飼育下でもなかなか長生きさせるのは難しいですが、寿命が近づいてくると動きが鈍くなったり泳がずに水底でじっとしたり体の色が少しくすんできたりなどの変化が現れてきます。

せっかく飼育するのであれば長生きしてほしいのはもちろんの事、繁殖なども行ってみたいと思うところですが、実はグラスキャットフィッシュの繁殖は非常に困難で、一般的な飼育環境ではほぼ不可能とされています。

理由ですがまず大前提として、雌雄判別が基本的に行えないため雌雄の比率がわからないというのがありますが、野生下では繁殖を行う際に雨季により大量の雨水が流れてきた際に水質がとめどなく変化し続け、ある一定の状態に至った際に繁殖活動を行うとされているため、この環境を水槽という小さな世界で再現するのが実質不可能であるため、繁殖は基本的にできません。

購入金額について

購入先や匹数にもよりますが、基本的に値段としては一匹につき500円前後が相場となっております。オンライン業者の場合ですと、それ以外にも送料が発生しますが、中には「梱包料」と称して本来なら数百円ほどでおさまるものを数千円単位として追加で要求する場合もありますので、そういった場合はお気をつけください。

群泳させるのが一般的であるため、基本的には単品単価としての販売ではなく、5匹で3000円、10匹で5000円のように匹数が増えれば単価が下がるようなものとなっております。

近くの熱帯魚ショップにいない場合はオンラインで購入するのが早くて便利ですが、生体をみながら購入するという事ができないため、「髭が溶けていないか」、「病気にかかっていないか」、「混泳させている別種が病気にかかっていないか」などの生体の状況や、餌への食いつきなどについてを問い合わせてから購入する事をオススメいたします。

評価などが高く、以前も利用した事があるなど、信頼できるようなショップであればそのまま聞かずに購入しても問題はないかと思います。

こちらのサイトでもグラスキャット含め様々な生体を取り扱っていますので、お求めの際にはぜひご活用ください。

https://www.kumazcompany.com/

主な病気など

丈夫な品種ではあるものの、他の熱帯魚同様に導入直後やまだ小さいうちは病気にかかりやすいため、水換え時含め日頃から水質管理には十分にお気をつけください。

以下は主な病気と予防法などの対策です。

白点病

熱帯魚を飼育している時に聞く病気の中でもトップクラスに多い病気。グラスキャットフィッシュも発症します。こちらはその名の通り身体中に白い点が出るようになりますが、この白い点はウオノカイセンチュウという寄生虫で、多くの水槽に存在しているものです。

五時間前後の間に寄生できなかった場合はそのまま弱体化していき、20時間前後で感染力を失い、48時間で死滅するため、元気なうちは発症することもなかなかないものではあるものの、どの水槽にもその卵や成体自体が混じっているため気をつけるに越したことはないでしょう。

感染した場合はそれだけでは生体が死亡することはありませんが、痒みを生じるため流木や岩や砂利など、擦れるところに体を擦る事により怪我をし、そこからさらに別の感染症を患ったり弱ってしまったり、またはエラに寄生された際には呼吸困難となり死亡してしまいます。

感染する確率が高く、聞くと恐ろしくも感じますが対処法としては実にシンプルで、28℃前後の高温で飼育するだけで感染を回避できるようになります。

ウオノカイセンチュウは25℃以下の低温を好むので、グラスキャットフィッシュ含めほとんどの熱帯魚は25℃以上で飼育するため基本的に温度管理が行えてさえいれば発症する事のないものとなっております。

ただ、店舗でもオンラインでも購入した際に自宅の水槽に入れるまでに水温がどうしても下がってしまうため、発症する事があるとすればそのタイミングとなります。その際には水あわせをしっかりと行い、温度合わせも行う際に水槽内の温度自体も徐々に上げていき28℃前後の水槽に導入すれば発症したばかりであれば成体はほぼ無傷で寄生虫を死滅させることができます。

それ以外の対処法としてはメチレンブルーやマラカイトグリーンなどの薬品を適量いれて一週間ほどかけてじっくりと薬浴させるという方法があります。こちらを行う際には同じ水槽内ではなく別の水槽に隔離して行うのが無難であるため、その別の水槽への水あわせなどを行って…という手間があります。

尾ぐされ病

こちらもよく見る病気の一つで、カナムナリス菌の増加により発症し、ヒレの先端が白く濁り周辺が充血します。症状が悪化していくとヒレの根元の方まで白濁しつつヒレの先端部分が裂けたり溶けたりしていき、衰弱して死に至ります。

こちらの対処法としては別の水槽を立ち上げてそちらにうつし、元の水槽の水を全とっかえし、観パラDやエルバージュエース、グリーンFゴールドで一週間ほど薬浴をして様子を見るという形になりますが、重症化していた場合はほぼ治ることはなく、治療が非常に困難なものになりますので毎日の観察の中で違和感があった際には早め早めに対処しましょう。

水カビ病

ヒレや体中に綿状の水カビが着床し発症しますが、こちらは外傷はもちろん、おぐされ病などによりダメージを受けている部分に寄生することがほとんどであるため、基本的には別の病気とセットで発症する厄介なものです。

症状が悪化していくと範囲がどんどんと広がっていき、そのまま死に至ります。

水カビ病の原因菌自体はどの水槽内にもいるものであるため、餌の食べ残しなどにも寄生し綿状のカビとしてでてきます。そのため対処法としては食べ残しの回収と、与える餌の量を調整し、水カビ自体が発症しない環境作りをするのが第一となります。

別の病気がキッカケで発症した際にはやはり薬浴をし、他の病気と一緒にまとめて退治してしまうのが無難です。

体調の変化を知るためのサインなど

病気になってしまった際には様々な苦労が必要となりますが、それらが全て必ず完治するというわけではないため、薬浴を行なってもそのまま弱っていき死んでしまう場合が多々あります。

そういったことを避けるためにも日頃から観察し、悪い意味での変化があった際には早め早めの対処を行えば体力がまだあるため回復する可能性がグッとあがります。

体が白く濁っていく

こちらはグラスキャットフィッシュならではともいえる体調悪化のサインで、透明な体が白濁していき、中があまり見えないような状態になってきたら危険信号です。そのまま病気を発症するか、すでに弱っているということも考えられますが、単に寿命が近いという場合もあります。

いずれにせよ、白濁してきた際には既に弱っているというサインであるため、寿命でない場合は1/3ほど換水し、水質の改善を行い温度を上げて様子を見るようにしましょう。

髭が溶ける、なくなっていく

こちらもナマズならではのわかりやすい体調悪化のサインです。グラスキャットフィッシュの髭は非常に目立ち、長いものですが、こちらが短くなったり溶けてきている場合は水質が酸化しているサインです。

この状態のままでいるとドンドン水質が悪化していき、生体も弱っていくので水換えが必須となりますが、一気に変えてしまうと弱った体ではその変化についていけずに白濁したり病気を発症することがあるので、牡蠣殻や貝殻、サンゴなどをいれてアルカリによせていくか、二日や三日に一回のペースで1/5~1/3ほど換水しながら様子をみてください。

終わりに

非常に飼育しやすく、見た目も綺麗で可愛らしく、群泳している様も見ていて楽しいため人気のある熱帯魚です。

しかし、雑食性で大食漢であるため、台湾では観賞用としてタイから移入したものを養殖したさいに、大量に繁殖し在来魚やその卵を食べて絶滅の危機まで追い込んだこともあるため、万一飼育困難となった場合でも「絶対に近隣の川などに放流しないでください」。

近年ではガーパイクやミステリークレイフィッシュ など、本来飼育下ではそれほど問題もなく飼育もしやすい品種ですが、無責任な飼育者が放流したことにより今では販売や飼育などが禁止されてしまった品種が数多くいます。

大型小型問わずに、今までいなかった生体が入れば環境のバランスは必ず崩れるものとなりますので、飼育する際には水槽の中でだけ生涯を終えるようにさせてあげて、今後も様々な生体を飼育可能な状況にしていきましょう。

References

References
01 トランスルーセント(translucent)とは光を通す半透明な状態のことを言います
02 小型種の中でも2cm以下などの、口に入るサイズのものとなってしまうとグラスキャットにとっては餌となってしまうため混泳はできません
03 食べ残しがあると水質が非常に悪化するため回収する必要があります。その手間を省く意味も込めて、与える餌の量は調整するのがオススメです

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