犬も猫もいい、でもキツネはもっと好き。そんな人には朗報です、フェネックギツネという可愛らしいキツネが飼育可能です。
目次
フェネックギツネの特徴と生態に関して
まずそもそもフェネックギツネ(またはフェネック)とはどういう生物なのかザックリと紹介しますと…
- 分類:食肉目 イヌ科 キツネ属 フェネックギツネ
- 体長:30〜40.7cm
- 体重:1〜2キロ
- 寿命:10〜15年(健康管理や天敵の有無などに影響される)
- 食性:雑食性
- 生息地:アフリカ大陸北部[01]主に砂漠地帯
- 跳躍力:垂直方向に60〜70cm、水平方向には120cmぐらい
- 夜行性
このような感じです。犬と猫の中間のような存在、と例える場合もありますが、一番近い例え方をするのであればキツネのような存在です。
そりゃキツネだから当たり前なんですがね…笑
※フェネックの生態について詳しくはこちらから
スポンサードリンク
可愛くてたまらない!でも懐いてくれるの?
大前提として、フェネックは人に懐くことはまずありません。
臆病で警戒心の強いフェネックは犬のように尻尾を振ってくっついてくることもないし、猫のようにすり寄ってくるわけでもありません。期待外れでしょうか。でもまだ待ってください、大丈夫です。
個体差もありますが、生後半年〜1年位の間に人間と正しく触れ合っていると多少懐いたりする事もありますし、人に慣れて警戒心が薄れるようになったりします。しかし、慣れない個体だと幼い頃から飼育したとしても、いつまでたっても人の気配を感じると警戒し逃げ回ったり怯えてしまう事があります。そのような場合は無理に触れ合おうとはしないようにしてください。
また、懐いていると思っていてもひょんな事で噛み付いたりする事もあります。フェネックの牙は鋭いため、本気で噛まれた時には大怪我にも繋がるので気をつける必要があります。
様々なエキゾチックアニマル[02]ペット及び伴侶動物として飼育されている特殊な動物に対する呼称です を飼育してきたり見てきた人など、経験を積んだ人だと距離感を近づけていく事もできたりはしますが、やはり基本的には懐かないものと思って、それでも可愛がってあげください。
どんな餌をあげればいいのか?
雑食性であるフェネックは基本的に何でも食べます。野生下では昆虫にネズミや卵、葉っぱや根っこなど、食べれるものは何でも食べます。
では飼育下でも何でもあげていいのか?残飯でもいいのか?となるとそういうわけではありません。通常の犬と同様にネギ科の野菜やチョコレートなどは絶対に与えてはいけません。
通常はドッグフード[03]与えた量をすぐ完食するわけではないので、ウェットよりドライのほうが好ましいです を与え、タウリン補充のためにキャットフードも定期的に与えるようにしましょう。また、野生下では水は直接飲まずに植物を食べる際に水分補給をしますので、フルーツなどを与えるのもいいですが、飼育下では給水ボトル[04]器などに入れて与えるとひっくり返して汚してしまうので、ボトルタイプのほうがよりよいです などを設置してあげたほうがよりベターと言えます。
餌を与える頻度としては1日に二度、朝と夕方などで大丈夫です。
放し飼いでいいの?散歩は?
野生下では暑すぎる日中はジッとしていますが、活動時間帯である夜では運動量が多い動物です。
飼育する際には家の中で放し飼いにするのも勿論ありですが、基本的には大型犬用のケージなどを使用します。ケージに関しては出てこれないようにシッカリとした作りであり、底面はフェネックの足を痛めないように金網などではなく一枚板のものであれば特に問題ありません。
しかし、野生下では巣穴を掘り、そこで眠りにつくため、ゲージ内でも繰り返し掘るような動作を繰り返しますのでペットシーツなどを敷いた状態にしてもボロボロにされてしまいます。
また、運動量が多い動物なのでケージに入れたままにはせず、時折室内を自由に散歩させてあげる必要があります。ただ、繰り返しにはなりますがジャンプ力も強く、何でも齧り、床でもどこでも掘ろうとしてしまいます。
さらに、夜行性であるため活発に動き回るのは夕方や夜になります。散歩させている間ずっと目を離しておくわけにもいかないので、朝早くから仕事をされていたりする場合だと一緒に暮らす事により睡眠時間が限りなく削られる事になる事は覚悟する必要がありますね…
ちなみに、ハーネスをつけて外を散歩する事もできますが、前述したとおり臆病な性格なので外の世界を歩くと恐怖に見舞われてしまうかもしれません。
トイレはちゃんと覚えてくれる?臭いとかは?
犬や猫はトイレの躾をちゃんとしているかはとても大事な事で、それができていないと家中大変な事になるのは目に見えていますよね。ではフェネックもちゃんとトイレの躾をしなくてはならない!と思いますが、残念ながら基本的にはトイレの躾というものはフェネックはできません。[05] … Continue reading
さらに、フェネックの排泄物はかなりキツめの臭いがし、放っておくと自分のフンで遊んでしまう事もあるので、フンをした際にはすぐに掃除をするように心がける必要があります。
一箇所で排泄をする習性がないため、ゲージの中も部屋の中も掃除がしやすいようにする必要があります。また、ペットシーツはフェネックが届くようなところに置いておくとズタズタに遊んでしまいますので、その点も気をつける必要があります。
また、猫砂のようなものを使用した際には、元々砂地で生息している事もあるので砂場自体を遊び場として使ってしまう事もあります。
どのようなものがベストなのかはそれまでの飼育環境や個体差がありますので、購入する際に詳しく聞いた上で、ご自宅で色々と試行錯誤してご自身のフェネックにとってベストな環境を整えてあげてください。
寿命はどのくらいなの?
野生下では猛禽類やジャッカルなどの天敵に襲われたり、餌にありつけなかったりと様々な理由であまり長生きはできず、長くても10年くらいと言われています。
飼育下ではシッカリと健康管理をして育てるとおよそ15年ほど生きると言われています。犬や猫とあまり変わらないくらいですね。
よし、じゃあ飼おう!で、購入金額はいくらなの?
ペットショップやブリーダーさんから直接など、購入する方法によって値段もだいぶ変わってきますが、基本的には80〜120万円くらいと思っていただければ大丈夫です。
常時販売されているわけでもなく、数も多いというわけではないので需要と供給のバランスが変わらない限りは値段も基本的には同じくらいになります[06]エキゾチックアニマルに関してはこのバランスが変わる事がよくあり、翌年には値段が倍近く上がる事もあれば、逆に安くなる事もあります。
一般的にブリーダーさんから直接購入したほうが安いといわれており、オスよりメスのほうが値段が高い傾向があります。
ただ、購入する際には値段よりも販売者がどのような人なのかのほうが大事だと思います。飼う前に調べるのも勿論大事ですが、色々と直接聞いてください。アナタが飼う前まで面倒をみて飼育していた人なわけですから、どのように飼育していたのか、何をよく食べさせていたのか、どんな環境にしていたかなど知っておいたほうが絶対にいいですので。
終わりに
いかがでしょうか。キツネ可愛いな、という思いは大事です。でも可愛いだけじゃ終生飼育は難しいものがあります。犬が可愛くて好き、でも餌をあげるのがめんどくさくて散歩にも連れて行きたくない、トリートメントも水の交換も自分の気持ち次第でしかない…そんなのじゃちゃんと飼育できないのはわかりますよね。
動物を飼育するということと、置き物を飾るのとは全くの別物です。
そういったことを考えると最後に一つ踏まえて置いてほしいのが飼う時には何かあった時に駆けつけられる病院があることが重要です。犬猫とは違いフェネックのようないわゆるエキゾチックアニマルは診察できない動物病院もあります。
なので、事前に動物病院を見つけたらフェネックを診察できるのかどうか確認をして、飼育する際には健康診断や予防接種を行なってください。
健康的で元気に長生きし、飼い主様がフェネックの愛らしい姿を長くみれるよう願っています。
References