鳥についてあまり詳しくない人でも、もしかしたら一度は見たことがあるのではないか…見た事ないとしても、一度みたらその特徴的な大きなクチバシを忘れることはないと思われる、そんなオニオオハシです。
オニオオハシの生体に関して
オニオオハシはキツツキ目オオハシ科に属する、オオハシ科の中では最大の鳥類です。以前はオオオオハシと呼ばれていた事もあるそうですが、現在ではオニオオハシと呼ばれるのが主流となっています。
オニオオハシのサイズは以下の通りですが…
- 全長:55〜65cm
- 体重:500〜850g
- クチバシのサイズ:20cm
なんといってもやはり特徴的なのはそのクチバシでしょうか。色も羽毛の黒や白などとは異なり、派手なオレンジで、なおかつ顔にあるからこそ余計に目立つので否が応でも一度見ると忘れられなくなるインパクトがあるかと思います。
※貴重なオニオオハシの正面顔。可愛い…
このクチバシについてはこの後また詳しく話しますので、その前にそれ以外の特徴としては以下の通りです。
- 野生下の寿命は30〜50年程
- 飼育下では飼育個体数が少なく、飼育方法が確立されていない事もあり寿命はおよそ15〜20年
- 生息地は南アメリカで、ブラジル周辺の森や川などにいます
- 雑食性で昆虫や他の鳥の卵を食べる事もあるが、基本的には果実を食べている
- 6羽程の小さな群を作り生活をする
- 木の穴の中に巣を作る
- ヒナのうちはまだクチバシが小さく、成長とともに巨大化する
- 求愛方法は採取した果実をクチバシで投げあう
- その美しさから別名「アマゾンの宝石」
さて、それでは一番気になるであろうクチバシについても紹介します。
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大きなクチバシがあってどうやってバランスをとっているのか不思議に見えるが…
その見た目や、一般的な鳥のイメージから、あまりにもクチバシが大きいため物凄く硬く重いのでは…と思いがちですが、実は物凄く軽くてその重さはおよそ10円玉3枚分[01]オニオオハシの大きさにもよりますが、重さはおよそ15グラムほどです で、全体の体重の20分の1程度しかないので飛ぶことにも支障をきたさず、バランスも容易にとれます。
どのくらいの重さなのか気になった方はぜひ、十円玉3枚を手に持って見てください。長さが20cmもあるクチバシがこの軽さと考えるとなかなか驚きですよね。
その大きさから、かなりの重さで凄く首の筋肉が強くてバランスを取っているのかと思いきや、その特殊なハニカム構造[02]蜂の巣のように六角形が綺麗に並んだ状態の事。とても強度が高く、尚且つ空洞が多いため質量を減らし軽くできる によりとても軽く、丈夫なクチバシにすることにより無理な不可をかけずにバランスを取れるようにできており、それ以外にもその構造を生かして体内の熱を血管を通し、クチバシから放出することにより体温調整もまかなっている大変優れた機能を持ち合わせています。
最早言うまでもないですが、鳥類の中ではそのクチバシの比率は最大ですが、このクチバシを威嚇目的に使用することはあっても争う時などに武器として使うことはないそうです[03]そもそもとても温和な性格のため、争うと言うこと自体がほとんどないそうですが…。
飛び方や鳴き声などについて
通常の鳥類のように羽ばたきながら旋回するような飛び方はあまりせず、基本的には飛ぶと言うよりはジャンプするように枝から枝へと飛び移り、飛ぶ時にも木から木へと真っ直ぐ飛んでいきます。
鳴く頻度はそれほど多くはありませんが、しかしその鳴き声は非常に大きく800メートル〜1キロほど先まで聞こえることもあり、鳴き声は種類によってもかなり異なりますが、「コォーン」や「キューン」といった不思議な鳴き方をします。
中にはカエルのような鳴き方もするそうなので、動物園などで見かけた際にはぜひじっくり待って聞いて見てください。
実際のところ、オニオオハシをペットとして飼育する事は可能なのか
飼育可能かどうかで言ってしまえば飼育可能です。
オニオオハシは知能がとても高く、人を個人個人で区別することができて、構ってもらったりスキンシップを行うことが好きであるため、通常の鳥類などとはまた違った魅力がありペットとしても人気があります。
ただ、その反面とても臆病で寂しがりやであるため、慣れれば慣れるほど『知らない人』への警戒心が高くなり、冗談半分でも驚かすと心臓発作を起こし命を落とすこともあるため、友人などたくさんの人に触れ合える距離で見せることはあまりオススメはできません。
常に家にいる家族間で可愛がり、来客がある際にはケージにいれて布などを被せて見えないようにしておくほうがよりベターと言えます。
また、飼育するさいのケージのサイズも重要で、前述した通りオニオオハシはジャンプするように移動する習性があるため150cm以上の大きさの広めのスペースで飼育しないとぶつかった際に骨折してしまうなどの危険性があり、室内で放鳥する際にも誤って窓などに衝突すると骨折してしまうためカーテンを閉めてガラスが見えないようにしたりなど気をつけることも色々とあります。
飼育方法についての詳細はまたいずれ別の記事で紹介しようと思いますので、お楽しみに。