鳥を飼おうと思った時に思いつくものと言えば文鳥、インコ、オウムなどが多いですよね。文鳥はインコとオウムと全く違うのでパッと見ですぐわかりますが、インコとオウム…違いとかどんな種類がいるかご存知でしょうか?
今回はそれぞれの違いや特徴と、数種類のインコとオウムもあわせてご紹介します。
目次
そもそもインコとオウムは何が違うのか
インコとオウムはそれぞれ同じオウム目に属していて、オウム目インコ科とオウム目オウム科に分かれている極めて近縁種の鳥類です。インコ科には約330種類、オウム科には21種類が分類されています。近縁であるからこそとても似ていて、知識がない人が見たらどちらも同じ鳥に見えてしまうこともあります。
勿論、生物学的に言ってしまえば胆嚢(たんのう)の有無[01]オウムには有り、インコには無い や頭蓋骨などの骨格の形状や羽毛の組織構造であったり、頸動脈の位置など様々な違いがありますが、知らない人がパッと見てわかるようなポイントではないですよね。
じゃあ簡単に見分けられないの?
と思うかもしれませんが、実はその外見的違いはとてもシンプルで『冠羽があればオウム』です。
冠羽(かんう)とは頭の上についている兜の飾り羽のようなもので、それがあればオウム、なければインコと、いたってシンプルな見分け方なので、今後オウムかインコか聞かれた時には頭を見て即答できるようになりますね。
補足としてですが、名前にインコとついていてもオウムだったり、オウムと言っているのにインコな場合もあります。例えばオカメインコやモモイロインコは冠羽があるので、名前はインコと言っていますが分類上ではオウムです。
その他にもヨウムやフクロウオウムなんかも名前にオウムが入っていたりオウムのような名前と見た目をしているにも関わらず冠羽がないのでこちらもインコとして分類されています。
勿論、生物学的に言ってしまえばもっと細かい違いはありますが、あくまでも冠羽があるかどうかでキッパリとどちらか見分けられるので、名前に惑わされず頭を見るようにしてください。
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その他の一般的な身体特徴について
体長や喋る事を真似る事[02]基本的には声真似をするのはオスで、メスはインコも含めてあまり行いません などは個体差もあれば種類によって違うので、冠羽や胆嚢などのように明確ではないこともあり一概には言えませんが、インコとオウムの一般的な違いや特徴を紹介します。
インコの特徴
- 体長はおよそ15〜40cm程と小型で指に乗ったりする姿もよくみられます(大きいインコも数多くいます)
- 人間の言葉を真似する事が多く、喋る事が好きな種類が多い(個体差も含めてあまり喋らないインコもいます)
- 基本的にはカラフルで派手な色をしている(地味な色のインコもいます)
- 野生下においても単独行動をする事が多く、飼育下では仲間がいなくてもあまりストレスを感じない。
- 胆嚢がないため、直接肝臓から胆汁をだし消化するので排泄の回数が多い。
- 排泄と出産は同じ場所で行う。
オウムの特徴
- 体長はおよそ30〜60cm程と大型が多く、基本的には枝や止まり木にとまっている事が多い(小さいオウムもいます)
- 人間の言葉を覚えることもあるが、あまり喋らないことのほうが多い(よく喋るオウムもいます)
- 基本的にはモノクロ色で地味な色をしている(鮮やかな色のオウムもいます)
- 野生下では群れている事が多いため、飼育する際にも単体より複数飼育が好ましいと言われています。
- 胆嚢があるため、胃の食べ物を消化する能力が高く、排泄の回数は少なめ。
- 排泄と出産は違う場所で行う。
インコの種類を一部紹介
セキセイインコ(Budgerigar)
インコと言えば? と聞かれた時に真っ先に頭に思い浮かぶ数種いる中の一種と言えるのがセキセイインコです。色の種類も緑や水色などいくつかあり、とても愛らしく人気の高いインコで、はじめて飼う鳥としてもオススメといえます。
鳥類の扱いがあれば、多くのペットショップで見ることのできるメジャーな鳥で、飼育方法についても広く知られているのも一つの魅力です。
値段もそれほど高くなく、飼育用の設備を全て揃えるのでも数万ほどですんでしまうリーズナブルさもあります。
セキセイインコの飼育方法についてはいずれまたご紹介いたします。
ヨウム(Grey Parrot)
その見た目と名前からオウムの一種であるとよく勘違いされますが、前述したとおり冠羽がないことからわかるように、インコの一種です。
全体が灰色で顔は少し白く、尾羽が赤いのが特徴で、地味な色に見えてオシャレで目立つチャームポイントがあるのが可愛らしいインコです。
知能がとても高いことで知られていて、名前を覚えることは勿論、ちょっとした会話の受け答えなどもできて、人間で言うところの三歳児を相手するのと同様なレベルで意思疎通ができると言われています。
とはいえ、全く違う言語や性質を理解するので実際の知能レベルははるかに高いのですが、あくまでも人間目線での知能レベルで言うとそのくらい…なのでもっと複雑に色々と考えていると思っておいてください。
飼育も可能ですが、2017年からCITES1類[03]ワシントン条約で『絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約』のこと になったため、価格も高騰したりと容易に購入ができなくなってきています。
ヨウムの飼育方法についてはいずれまたご紹介いたします。
ルリコンゴウインコ(Blue-and-Yellow(Gold) Macaw)
大きなインコと聞くとイメージがわいてくるのがこのルリコンゴウインコかベニコンゴウインコであることがほとんどかと思います。
見た目からもわかるかもしれませんが、噛む力が非常に強く、鳴き声も大きいため飼育する際には十分な知識と対策を備える必要がありますが、性格自体はとても温和で懐っこく、『犬のような鳥』と表現されることもあるので、シッカリと飼育できるのであればとても魅力的な大型インコです。
また忘れてはならないのがその寿命で、犬やネコと比べればはるかに長く、およそ50年は生きると言われているため、飼育して可愛がればもうそれ以外のペットはいらなくなるかもしれないほど素晴らしいパートナーとして共に過ごせるかと思います。
ルリコンゴウインコの飼育方法についてはいずれまたご紹介いたします。
ベニコンゴウインコ(Green-Winged Macaw)
コンゴウインコというと実は複数種類いるのですが、やはり有名どころとしては前述したルリコンゴウインコとこのベニコンゴウインコでしょうか。
こちらもルリコンゴウインコと同様にとても賢く、雛から飼育するとよく懐くと言われていますが、基本的には飼育者である飼い主のみを大事にする傾向があるため、同じ環境で生活している家族がいたとしても対応や態度が異なる場合があり、知らない人に対しては警戒心を強く持ちます。
また、イメージがあまりないかもしれませんが飼い主の事を大切に思うからこそ愛情も深く、寂しがりやな一面があり、ひとりぼっちになる機会が多かったり構ってもらえないとストレスから自らの羽をむしり取ったりしてしまう事もあるため、長期間外出をするなどは基本的にはできなくなります。
寿命も50年〜80年は生きるとされているため、家に毎日帰れて一生面倒を見れる人向けではありますが、とても魅力的で一生涯のパートナーとして共に過ごせる家族になれる鳥の一種といえます。
ベニコンゴウインコの飼育方法についてはいずれまたご紹介いたします。
オウムの種類を一部紹介
オカメインコ(Cockatiel)
オカメインコと聞くと一般的には黄色い体にまん丸の赤いほっぺ、そしてシュッと伸びた冠羽がイメージされますよね。某有名ゲーム、アニメに出てくる主人公クラスのマスコットキャラクター[04]ポケットモンスターに出てくるピカチュウのようと言われることもあります を連想させるような姿とも呼ばれることもあります。
しかし実は人気なペットであるからこそ、ブリードも盛んに行われており、色々なモルフ(カラー)があり、一般的に知られている黄色いのは『ルチノー』または『白オカメインコ』と呼ばれています。
それ以外にもシナモン、パイド、パステルフェイス、ホワイトフェイス、ファローなど様々な種類がいて、それぞれに異なった魅力がありとても人気なペットです。
個体差もありますが、性別によっても性格がやや異なり、一般的にはオスのほうがよく喋り、メスのほうは物静かなことが多いと言われています。
オカメインコはとても愛情深く、飼い主のことが大好きになる傾向があるため、毎日のコミュニケーションとスキンシップは欠かさず行う必要があります。
そのため、飼育する際にはケージの中だけではなく、毎日ケージから出してあげて放鳥させる時間が必要なため、最低でも毎日一時間くらいはオカメインコのために時間を割けないのであれば飼育することはオススメできません。
オカメインコの飼育方法についてはいずれまたご紹介いたします。
キバタン(Sulphur-Crested Cockatoo)
いわゆる一般的に白色オウムと呼ばれるものの一種がキバタンです。それ以外にもオオバタンシロビタイムジオウム、タイハクオウムなど色々な種類がいますが、一番有名なのがキバタンかと思われます。
それぞれ共通しているのは犬のように物凄く懐きやすく、飼い主のことを大好きになる傾向があり、とても賢く値段もかなり高価であることでしょうか。
やはり懐いてくれる、というのは飼育者にとってとても幸福を感じられる瞬間であるため、懐いたりしない生体に比べて遥かに人気が高いといえますね。
他の大型のオウムやインコと同じくとても力が強く声も大きいため、一般的なアパートやマンションでの飼育は非常に困難である場合がほとんどですが、その寿命もやはり50年以上とも言われるため飼育するのであれば一生涯のパートナーとして共に過ごせるのも非常に魅力的です。
キバタンの飼育方法についてはいずれまたご紹介いたします。
終わりに
鳥類のペットを飼おうと思った時に出てくる代表格がインコとオウム、あとは文鳥などでしょうか。そんな中でも種類が豊富で、大型にもなれば一般的なペットとは比べ物にならないくらい長寿で、飼い主のことを大好きになり、なおかつ賢いという様々な魅力が詰まっている素晴らしい鳥だと思います。
頭がいいからこそ適当に扱えば『適当に扱われている』ということを認識しますし、力が強いのと飼い主以外への警戒心を持つことから知人などを家に招いた際に怪我をさせてしまうおそれもあったり、長年生きるからこそ餌代はもちろん、病気になった時など何かと金銭面もかかってきたりと飼育する上で気をつけなければならないことは多々あります。
しかし、それはどの生物でも言えることですし、子供を育てる際にも責任があるのと同じようなものと思ってしまえば、そんなことよりも様々な魅力のほうが圧倒的に上回るのが普通ですし、上回らないのであれば飼育はせず動物園などで見るだけにしておくほうが無難だと言えます。
飼育する上で気をつける事についてはそれぞれ別途記事にて紹介しますが、難しい事はそれほどなく、ただ意識して気をつけるだけでどうにかなる事のほうが多いので、飼育する事に怯えず、本当に好きであればぜひ長年ともに過ごして、最高のパートナーであると思えていただけたら幸いです。